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研究内容(カーボンナノチューブ〜エネルギー材料〜)

4.エネルギー材料

エレクトロニクス全盛の現代社会においてエネルギーといえば電気のことを意味すると言っても過言ではないでしょう。従ってエネルギーデバイスでは「電極」が必須となります。CNTは高い電気化学安定性、電気伝導性、機械的強度、物質拡散に有利なメッシュ構造を持つため「電極」として理想的な素材です。このCNTを自由に使いこなすためにはそれなりのノウハウが必要となります。ここで私たちの技術の神髄があります。
 4.1(1)プロトン型固体高分子燃料電池(PEFC)
高温無加湿用電解質であるポリベンズイミダゾール(PBI)によるCNTナノコーティング技術と金属担持技術を組み合わせた独自の担持技術で作製した複合体で燃料電池を作製したところ、100度以上無加湿状態において非常によい電池特性を示した。数ナノの厚さでCNTを被覆したPBIはプロトン伝導層として作用していることが明らかとなった。むき出しの白金は大きな活性表面積を確保していることから極めて高効率な燃料電池として利用できると期待できる。(H21.PD松本)
J. Mater. Chem. 21, 1187-1190 (2011).

 4.1(2) プロトン型PEFC 超高耐久性固体高分子燃料電池
従来の燃料電池耐久性が低い原因は、カーボンの劣化にあった。しかし、高耐久カーボンは白金が担持できない為に使えなかった。我々は、「接着層」と言う新しい概念で、この二律背反を克服し、見事に高耐久性電極触媒を作製した。その結果、従来より20倍以上高い耐久性を示す燃料電池を開発した。(PD.Reda)
Sci. Rep., 2013, 3, Art. No. 1764.(Nature Japan 「注目の論文」ChemCatChem.,6, 567-571 (2014).J. Mater. Chem. A. 2, 19053-19059 (2014).

 4.2(1) 窒素ドープカーボン触媒
 
窒素含有芳香族化合物は焼成することで酸素還元活性のある窒素含有炭素化合物に転移することが知られている。この事実を利用し、PBI被覆CNT複合体を焼成しコア(CNT)を導電帯、シェル(PBI焼成物)を酸素還元触媒とするコアシェル触媒複合体を得ることに成功した。導電性コアがシェル触媒部における電子授受をスムーズにすると期待できる(H22.内海)
Chem. Commun. 47, 6843-6845 (2011).

 4.2(2) バンドル溝による酸素還元活性向上の発見
近年、グラファイト構造に窒素を紛れ込ませた窒素ドープカーボン(呼び名は色々ある)がメタルフリーな酸素還元触媒として注目されています。私たちはカーボンとして多層CNTより単層CNTを用いた場合において高い活性を発見しました。これは単層CNTに特徴的なバンドルの「溝」が効いていると考えています。空間構造の制御で活性が制御できたらお金かからないし、魅力ありません?(H25.森田)
ChemCatChem, 6, 3169-3173 (2014).
 4.3 アニオン型固体高分子形燃料電池
  独自の高分子被覆技術を駆使して作製した白金ナノ粒子担持CNTにおいて、高分子として用いたPBIにアルカリドープするとアニオン型燃料電池の電極触媒として使えることが明らかになった。効率的な動作により世界最高出力密度を達成した。(H21.PD松本)Adv. Funct. Mater. 21, 1089 (2011).
また、白金をパラジウムに置き換えた電極触媒においても高い最高出力密度を得た。
(H21.PD松本, キム)ChemPlusChem.,79, 400-405 (2014).
 4.4 高分子被覆によるメタノール酸化能向上
  白金ナノ粒子表面への高分子修飾により、メタノール酸化特性が向上することを発見した。(H20.岡本,H22.PD松本)
ChemCatChem. 5, 1701 (2013).
 4.5 PBI被覆法のグラフェンへの応用
CNT可溶化剤であるPBIはグラフェンも被覆し、さらに白金ナノ粒子の担持足場として作用しました。我々のPBI被覆法では、酸化処理を必要としないため、市販のカーボンブラック担持白金より高い耐久性を示しました。(H26.平田)
J. Mater. Chem. A, 2, 3888-3893 (2014).
 4.6(1) 低白金化技術 コアシェル粒子の担体上でのワンポット合成
燃料電池を安価にするには白金を大事に使うことが最も近道です。そのアプローチの一つにコアシェル化があります。一般的に煩雑な担体上でのコアシェル粒子の作成ですが、ワンポットで簡単にできることが分かりました。でも金と白金のコアシェルって贅沢。(H25.キム)
Chem. Lett., 43, 11, 1737-1739 (2014).
 4.6(2) 低白金化技術 白金粒径&密度制御による質量活性の向上
燃料電池を安価にするには白金を大事に使うことが最も近道です。そのアプローチの一つに粒径低減があります。我々は白金原料の仕込を減らすだけで低粒径化に成功し、その結果、質量活性の8倍もの向上を実現しました。(PD. Inas)
Sci. Rep. 4, article number 6295.
 4.7 熱電変換 ドーパント内包によるn型CNT熱電シートの開発

ウェアラブルデバイスに取り付ける電池として体温から発電する熱電変換技術に注目が集まっています。ゼーベック効果を利用した熱電発電ではp型とn型材料が必要ですが、空気酸化によるp型化により大気安定なn型材料の開発はチャレンジです。本研究ではコバルトセンを内包することで安定性を高めることに成功しました。(H26. PD福丸)
Sci. Rep. 5, Art. No. 7951.
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