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研究内容(カーボンナノチューブ〜高分子複合材料〜

3.高分子複合材料

カーボンナノチューブは高い電気伝導性、熱伝導性、優れた機械的強度を持つ炭素材料でありポリマー複合体を始めとして様々な応用が検討されている。金属を凌駕するこれらの性質を有しながら炭素材料ならではの軽さを備えているCNTは高分子の軽さを損なわないことから複合化材料のパートナーとして最適である。

 3.1 物理吸着により修飾したSWNTの機能化
   無水マレイン酸部位とアントラセン基を有するペンダント型ポリマーはアントラセンの寄与により有機溶媒へ分散可能である。一方で無水マレイン酸部位を有するために複合化の後にさらにアミン誘導体を導入することも可能である。(H18.成松)
Chem. Lett., 35, 892-893. (2006).

 3.2 SWNT/ポリマー複合体へのレーザー照射
   SWNT/ポリマー複合体に近赤外レーザー照射することでSWNTの光熱変換効果で熱が発生し、SWNTからのポリマーの脱離、それに引き続くSWNTの凝集挙動が見られた。(H18.成松)
Chem. Phys. Lett., 429, 488-491. (2006).

 3.3 SWNTハニカムパターン
   カルボン酸修飾SWNTはカチオン性脂質と複合化し、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶になった。この溶液を高湿度下でガラス基板にキャストすることでハニカム構造を用意に作成できることに成功した。イオン交換後による脂質除去によって抵抗率は3.7x103 ohm/sqに達した。(H20.若松)
Adv. Mater. 19, 2535-2539 (2007).
同様のハニカム構造体をグラフェンで作製することにも成功している。(H24. Liu)
Carbon 49, 3424-3429 (2011).

 3.4 UV硬化性樹脂・SWNT複合体
 UV硬化性樹脂とSWNTを50度で超音波照射しUV照射することで複合体を作製した。非常に高いSWNT分散度のために、非常に低い電気伝導性閾値と導電性を示した。またUV照射前前躯体の高い流動性のために、UVナノインプリント技術で容易にサブミクロンのパターン形成が可能であった。(H18.原口)
Adv. Mater. 20, 2151 (2008). Highlighted in Nature Asia Materials.

また高い熱伝導率を有するSWNTを添加しているにも関わらず、複合体全体の熱伝導率の向上はほとんど見られない興味深い現象を見出した。(H24.D福丸)
Synthetic Metals, 159, 827-830 (2009).

 3.5 近赤外光スイッチングCNT/PNIPAMゲル
 
 近赤外光照射により発熱するCNTの性質を利用し、ポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)ゲルの相転移を近赤外光で制御することに成功した。このPNIPAM/SWNT複合体は、SWNTの堅牢性を反映して、少なくとも1200回にわたり安定に光熱変換して相転移を誘起することが明らかとなった。
(H21.森本)
Adv. Mater. 20, 3610 (2008). (Inside Coverに選ばれました↑)

 3.6 高温無加湿用燃料電池触媒層
 
 ポリベンズイミダゾール(PBI)はCNTに強く吸着することで可溶化を可能にする。CNTに吸着したPBIを「のり」とすることで効率よくかつ均一に白金ナノ粒子を担持することに成功した。伝導パス、高分子電解質、触媒粒子からなるこの複合体は新しい燃料電池触媒層として期待できる。(H20.岡本)
Small. 5, 735-740 (2009).
Carbon 47, 3227-3232 (2009).

 3.7 シリカ粒子へのCNTコーティング
球状シリカ粒子にCNTを均一にかつCNTに化学修飾を加えることなくコーティングする技術を確立した。バンドル状態がほどけ孤立したCNTが均一かつ単分子でコーティングしていることがわかる。この粒子は研磨剤、導電性ペースト、クロマトグラフィー固定相、ろ過吸着層等様々な用途が考えられる。(H25.Dジョンテ)
Carbon 49, 468-476 (2010).
 3.8 ポリベンズオキサゾールとの複合化
高分子の中で最高強度を誇るポリベンズオキサゾールと物質の中で最高強度を持つCNTとの複合化に成功した。最強と最強のコラボレーション。夢は宇宙エレベーター用ワイヤーですね。(H24.D福丸)
Macromolecules, 46, 4034-4040 (2013).
 3.9 ポリベンズイミダゾールによる樹脂/CNT界面接着
最強の補強材フィラーとされるCNTですが、実際に樹脂に埋め込むと界面滑りによる「ずる抜け」で「糠に釘」状態なのが実情です。そこで、CNTに吸着し、かつエポキシ樹脂と反応し共有結合を形成するポリベンズイミダゾール(PBI)を「のり」にする着想に至りました。(H26.M2三枝))
Polymer J. in press

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